大学生の退屈しのぎ

好きなものをひたすらに貫いていきたい

コンビニバイトは本当に楽なのか。1年間働いてみて分かったメリットとデメリット

僕は大学1年の8月から2年の8月までちょうど1年間、セブンイレブンで働いていました。コンビニバイトって都内では外国人の方も多くやってますし、多くの方は「楽なバイト」のイメージが強いかと思います。僕もそう思って始めました。

今回は僕の体験談をもとに書いていくので、もちろん全ての店舗に当てはまるわけではないですが、今回は大変だったこと、その後に良かったことを3つずつ紹介していこうと思います。

 

 

大変だったこと① 仕事が多い

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コンビニバイトの仕事内容は一つ一つを取れば簡単なものがほとんどです。ただ、その種類が半端じゃなく多かったです。(レジや品出しはもちろんですが、宅急便、公共料金、賠責保険、揚げ物、肉まん、おでん、コーヒーマシンの豆・ミルクなどの補充、検品、コピー機の紙の補充、レジ締めなどなど)なので短時間でいかに効率よく終わらせるという能力が問われます。ちなみに僕のいた店舗では発注などは全てオーナーがやっていたのでありませんでしたが、ベテランバイトが手伝っているところなんかもあるかもしれないです。

経験を積んでいけば一つ一つは問題はない仕事内容だとは思いますが、コンビニでバイトをするなら仕事はレジや品出しだけじゃない、ということだけ頭に入れておいた方がいいです。

 

大変だったこと② オーナーが気難しい

これは完全に僕の経験談ですが、僕のいるところは、オーナーがめちゃくちゃ気難しい人でした。ビッグフランクは切れ目を上にして置かないと怒られたし、肉まんも肉まんの名前?(笑)が書かれている方を前にして置かないと怒られました。あとは商品の陳列も「売れ筋の商品はこの棚に置いて、朝のパンはここで、惣菜パンがここで、菓子パンはここで...。これはツーフェイス(商品の列を二つ)にして」などなどなど、多少気にするのはわかるけど、廃棄が多く出ると「お前らの陳列が悪い!」と説教されることもあり、かなりきつかったです。フランチャイズだと本社に売り上げがかなり持って行かれるし、バイトをできるだけこき使えば利益が出るのは当たり前なので、こういう人が多いのかもしれないですが...。

コンビニバイトをするときはオーナーや店長がちゃんと良さそうな人かバイトする前に下調べに行って、確かめた方がいいですね。

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大変だったこと③ 客がめんどくさい

これはおそらくどのコンビニでもそうだと思いますが、とにかくコンビニの客は態度が悪いです。タバコの種類がわからなくて戸惑っている店員に怒るおじさんとか、自分が間違った払込票番号を持ってきているのにレジで店員のせいにしてぶちギレる人とか結構見ました。若い人はあまりいないけど、オヤジはほんと要注意です。些細なことですぐ怒ります。最初の頃はタバコの番号を聞いただけで怒られたこともありました(未成年だったので、慣れないとなかなか略称で探すのが難しかった...)。まあ僕も入りたてで自信なさそうな振る舞いをしてしまっていて、それも余計にその人を刺激したのかもそれませんが。。

夜は酔っ払いも来るし、接客はかなり大変だと思います。ただ、そういうめんどくさい人の対処法が身につくので、社会勉強としては良いと思えるところもあるかもしれませんが。まあでも、その代わりめちゃくちゃ優しいおばさんがジュース奢ってくれたりとかもあったので、当たり前ですが嫌な人は一部です(ただ、その一部がかなりめんどくさいというだけです。)

 

 

良かったこと① 隙間時間を活用できる

僕のコンビニはシフト制ではなく曜日と時間が決まっていて毎週同じ曜日、時間に出勤するスタイルでしたが、朝の3時間など、学校に行く前に働いてました。(僕は朝6時から9時までバイトをして学校に行っていました。)朝は早いけど、やることは先に済ましておいた方が一日中気が楽でいられるので、早起きが苦ではない方にはいいかと思います。時給もちょっぴり高かったです。朝は大体大量に買う方もあまりいないし楽でした。

もちろん逆に放課後のちょこっとした時間で入れたり、長期休みは深夜なども入れるので、自分の生活スタイルに合った働き方をしてみるといいかと思います。

 

良かったこと② 仕事が楽

先ほども書きましたが、コンビニの仕事は種類が多くても難しいことはほとんどないので覚えてしまえば楽です。一つ一つは一回教わればなんて事のないものばかりでした。揚げ物もスイッチを押すだけでしたし、肉まんやおでんもセットして待つだけです。

 

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良かったこと③ 廃棄がもらえる!

これは僕がいた店舗だけだったのかわかりませんが、賞味期限が切れて廃棄になった弁当はオーナーからもらえました。調べたところ本部との契約によっても異なるみたいですが、一部そういった店舗もあるそうです。これには本当に助かってました。自宅暮らしでしたが、学生はとにかくお金がないので。朝働いて貰ったパンやおにぎりをそのまま大学へ持って行ってたので、お昼代が浮いてました。食べきれなくて、友達にあげていたぐらい貰ってました。なんならこれが最大のメリットかもしれません。直営店とかだと厳しそうだけど、フランチャイズならオーナーによってもらえるので狙ってみてもいいかもしれません。

 

まとめ

以下、大変だったことと良かったことをもう一度まとめます。

大変だったこと

  • 仕事の種類が多い
  • オーナーが気難しい(店舗による。僕のいたところはそうだった)
  • 客がめんどくさい(コンビニの店員は苛々のはけ口にされやすい)

 

良かったこと

  • 隙間時間を活用できる(24時間営業ならでは)
  • 仕事が楽(種類は多いけど、一つ一つはとても簡単)
  • 廃棄がもらえる(個人的に最大のメリット。一人暮らしの人やお昼代を浮かせたい方はかなり助かる)

 

総括してコンビニバイトは割と悪くないバイトなんじゃないでしょうか。 客のめんどくささや、オーナーや店長の気難しさは他のバイトでも十分起こり得ることですし、コンビニバイトは仕事が簡単で運が良ければ弁当までもらえるので。。よかったら検討してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

まだ知られていない、きのこ帝国の隠れたオススメ曲10選。

以前、きのこ帝国のオススメ曲を10曲紹介しました。

www.neatnobibouroku.info

 

ここに出てるのは比較的有名な曲が多めです。なので今回はあんまり知られていないけど、個人的にすごくグッときた隠れ名曲を紹介していこうと思います。(なので、これから初めてきのこ帝国を聴こうと思っている方は上の記事から見たほうがいいと思います)もうきのこ帝国の人気曲はざっと知っているという方には、開拓用にどうそ!

 

目次 

 

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1.退屈しのぎ

前になんでこれ紹介しなかったんだろうと後悔したぐらい、現時点の僕がきのこ帝国の中で最高傑作だと思っている曲です(ちなみにブログのタイトルもこの曲からとってます)。1枚目のミニアルバム「渦になる」にこの曲は収録されているのですが、初期のきのこ帝国からは「怒り」や「軽蔑」の感情をそのまま音にしたようなものが多く、この曲はその頂点です。初期のきのこ帝国の代名詞の轟音ギターも健在。

許せない言葉ややるせない思いも

いずれは薄れて忘れてゆくだろう

でもたまに思い出し、お前に問いかける

憎しみより深い幸福はあるのかい

 

退屈しのぎ

退屈しのぎ

  • きのこ帝国
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

 

2.The Sea

この曲も退屈しのぎと同じ「渦になる」に収録。静かで優しいけど、絶望的な曲。歌詞が哲学的でメッセージ性が強いです。この曲の「音の隙間」とでもいうのか、この余白が好き。この曲から夜が明けたらにいくアルバムの流れも秀逸だと思う。歌詞のテーマは過去に対する強い後悔や現実に対する虚無感、なのかなあ。歌詞の抽象度も高いです。

許されたいけど

許せないから

誰も愛してくれない

君はそう言うだろう 

 

The Sea

The Sea

  • きのこ帝国
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

3.パラノイドパレード

この曲はアルバムではなく、ロンググッドバイのepに入っている曲です。海と花束ばかり聴いていてあまり聴いてなかったのですが、 じわじわと好きになりました。前の2曲よりは少し明るく、浮遊感のあるサウンドが特徴的です。でもちょっとまだシューゲしてます。Souvlakiの頃のSlowdiveっぽいかも。夜の散歩なんかにぴったりの曲だと思います。きのこ帝国は真夜中が似合う曲が多いですが、この曲は楽しい真夜中の雰囲気があります。

青い花柄のワンピース

脱げかけた黄色いサンダル

飲み過ぎた道すがら

誰もがきみを貶しながらも見とれてる  

 

パラノイドパレード

パラノイドパレード

  • きのこ帝国
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

 

4. Donut

この曲は桜が咲く前にのシングルに入っている曲です。僕は桜が咲く前によりもこの曲を先に好きになりました。歪んだギターロックサウンド。だけどサビのメロディーなんかはすごく綺麗だと思います。「車の免許証とってから言え」って歌詞もすごい好き(笑)初期のサウンドが好きな人は気に入るんじゃないかと思います。この曲、この間の10月に佐藤さんのソロの方で演奏したみたいです。羨ましい。。きのこ帝国のライブでも是非やってほしいです。

ハートのリズムに従って

動くだけの単純な生き物になる

秘密は墓場へ持ってって

そのとき初めて自分になれるよ

 

Donut

Donut

  • きのこ帝国
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

5.平行世界

この曲はアルバムとしては1枚目の「eureka」に収録。今みたいな佐藤さんの優しい歌い方ではなく、淡々とした歌い方。「間違った夜に ここにいよう」というフレーズが好きです。一回聴いてすごくハマったわけじゃないけど、ある日突然この曲を思い出して聴きたくなって、それから一時期すっと聴いてました。不思議な夢を見ているみたいな曲。眠れなくなった夜に今でもよく聴いています。

間違った夜に 状況がひとつ

とりあえず座って コーヒーを飲もうか

状況がひとつ 感情はみっつ

もう少しのあいだ さとらないでくれよ

 

平行世界

平行世界

  • きのこ帝国
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

6.春と修羅

この曲も平行世界と同じ「eureka」に収録。春と修羅って宮沢賢治の詩集のタイトルにもありますよね。この曲はなんかもう「猫とアレルギー」とか「東京」とかから入った僕としては衝撃でした。まず出だしが「あいつをどうやって殺してやろうか」でサビが「なんかぜんぶめんどくせえ」なんですもん(笑)でもこのアルバムの中では人気曲です(Apple Musicの星がついていた)。苛々した夜の帰り道とかに無性に聴きたくなりますね。この曲聴くと、佐藤さんの歌い方の幅が本当に分かります。今の佐藤さんが演奏するのあんま想像つかないけど、一回生で聴いてみたい。

完全犯罪とかどうでもよくて

金属バットを振り抜く夢

悪意だけが真実の、春の夜の夢 

 

春と修羅

春と修羅

  • きのこ帝国
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

 

7.ミュージシャン

「eureka」収録。確かこの曲はインタビューで佐藤さんやメンバーがSlowdiveっぽいと言ってました。eurekaは全体的に不穏な曲が多いけど、この曲は不穏の中に優しさもあるような感じ。ミュージシャンはこの間買ったタイム・ラプスの初回についていた大学時代の自主制作盤に収録されているので、かなり昔からあった曲なんじゃないかと思います。「はみでてるわかってるあなたは狂ってる」というフレーズが好きです。

狂った頭でいろいろ考えて

不安を抱えて老いぼれていくんだろう

それでもそれでもそれでもやっぱり

まっすぐ佇むあなたはきれいだろう 

 

ミュージシャン

ミュージシャン

  • きのこ帝国
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

8.明日にはすべてが終わるとして

クリーンなギターから始まるイントロ。アルバムeurekaの最後を飾る曲です。囁くような歌い方で、様々な複雑な感情を凝縮させたこのアルバムの中で「解放」を象徴するかのような存在。ライブでのラストを飾る曲であることも多いです。アルバムではこの曲から3分ほど沈黙の後、最後のシークレットトラックに移り一応雰囲気としては明るく終わります。でもここまでこのアルバムを聴いて明るい気持ちになれる人はいなさそう(笑)なんというか、僕はこの曲を聴くと自分の内面の核心を突かれたような気持ちにいつもなってしまいます。

曖昧なあなたに救われて

未来なんていらないや、って笑うのさ 

 

明日にはすべてが終わるとして

明日にはすべてが終わるとして

  • きのこ帝国
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

9.スカルプチャ

メジャーデビュー前の曲に偏ってしまっていたので、アルバム「猫とアレルギー」からお気に入りの一曲を。 ギターロックの曲なんですが、キーボードとの絡みも絶妙です。きのこ帝国の中では斬新で少し異質な曲なんじゃないでしょうか。浮遊間や不吉さというよりは強い執念が漂っているし、歌詞も初期の頃と比較すると具体性があります。どこまでも佐藤さんの私的な言葉であるがゆえに未練だらけの失恋した人にはきっとたまらないはず。

また同じ香りに騙され振り向く

馬鹿みたいでしょう

駅のホーム きみに似た後ろ姿を

嗚呼、目で追いかけてしまう

いつまでたっても 

 

スカルプチャー

スカルプチャー

  • きのこ帝国
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

10.MOON WALK

次は2016年のアルバム「愛のゆくえ」から一曲。家に帰りたくなくてふらふら夜の街を散歩していた時によく聴いていてました。喪失という言葉が似合う曲です。綺麗な月が浮かんでる冬の夜の情景が浮かびます。気だるさが病みつきになってじわじわと好きになるはず。「時の糸で 張り裂けた心 縫い合わせた」という表現も詩的で好き。

月が綺麗 浮かびそうな気分 はしゃいで

届きそうで 届かないまま 時は撫ぜた

終わりのあとには ほら 始まりの予感 いつ

だってそう

哀しいくらい 青ざめた月を 見ていた 

 

MOON WALK

MOON WALK

  • きのこ帝国
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

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まとめ 

「このアーティストの曲が全部好き!」なんて言うと、きっと盲目信者扱いされるんでしょうが、きのこ帝国に関しては全体的に好きな曲が散らばっていて、今回紹介できなかった曲の中でも好きな曲たくさんあります(特に最初の3枚は個人的に外れ曲なしです)。特にきのこ帝国はアルバムごとの色も違うので色々聴いてみたら面白いですよ。Apple Musicでも全曲聴けるので、気に入った曲があるか漁ってみてください。

 

 

 

 

 

 

救済なきストーカーの歌、Muse「Hysteria」歌詞 和訳+MVの意味考察

ベースラインがかっこいいことで有名なMuseのHysteria。

Hysteriaは病的興奮という意味であり、きっと偏執的な片想いに狂っている人間にとっては最高にカタルシスを感じて歓喜してしまう曲なのではないのでしょうか。

僕にとってもこれはMuseの中でお気に入りの曲です。これを聴きながら地下鉄を歩いてストーカー気分になるのが好きです。

 

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歌詞 和訳

 

It's bugging me, grating me

(僕を悩ませ、苛つかせる)

And twisting me around

(そしてまとわりついてくる)

Yeah, I'm endlessly caving in

(僕は永遠に服従し)

And turning inside out

(そして混乱する)

 

'Cause I want it now

(今、欲しい)

I want it now

(今、欲しいんだ)

Give me your heart and your soul

(あなたの心と魂をくれよ)

And I'm breaking out

(そして僕は逃れる)

I'm breaking out

(逃れられるんだ)

Last chance to lose control

(支配から逃れる最後のチャンスだ)

 

Yeah it's holding me, morphing me

(僕を掴み、変化させる)

And forcing me to strive

(そして僕に努力を強いる)

To be endlessly cold within

(いつまでも冷たく)

And dreaming I'm alive

(生きることを夢見てる)

 

'Cause I want it now

(今、欲しい)

I want it now

(今、欲しいんだ)

Give me your heart and your soul

(あなたの心と魂をくれよ)

And I'm not breaking down

(そしたら僕は壊れないで済む)

I'm breaking out

(逃れられるんだ)

Last chance to lose control

(支配から逃れる最後のチャンスだ)

 

And I want you now

(今、あなたが欲しい)

I want you now

(あなたが欲しいんだ)

I'll feel my heart implode

(心が破裂していくのが分かる)

I'm breaking out

(僕は逃げる)

Escaping now

(逃れようとしている)

Feeling my faith erode

(僕の信念は蝕まれていく)

 

 

ここからはMVの解釈です!

youtu.be

 

ホテルで寝てるヒステリー男

独特なベースラインが流れると、裸のマッチョ男が苦しそうに寝ていて(寝てるというより気絶したみたいな感じだけど)、ホテルの清掃のおばちゃんらしき人が部屋まで見に来ます。おばちゃんを追い返してからも部屋のドアに耳をくっつけて外の人の気配を疑う男。神経が過敏になっていて、もう既に少し興奮状態なのがわかります。

 

一人の女性を執拗にストーキング

ひどく散らかった部屋の中で男はビデオをチェックしています。そこには女性が映っていますが、アングルから見てどう考えてもバレないようにこっそり盗撮していることがわかります。街の中、自宅の中、店の中、、男がどれだけ執拗にその女性をつけ回しているかが映像には残っています。テープも凄まじい量が部屋に転がっていて、男のストーキングは日常的で病的なのが暗示されてます。

 

女性に男の影

ビデオを見進めていくと、その女性に彼氏がいることがわかります。誰かと待ち合わせして、一緒に車に乗り込む女性。男は発狂し部屋にあるあらゆるものを壊し始めます。まさに「病的興奮」状態。そして今では自分以外の男に向けられていると知っている、男を誘惑する彼女の幻覚を見てさらに苦しみます。

 

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偏執的な片想いに苦しみ続ける永遠のループ

男は部屋の中で暴れまくり、最後にはビデオを見ている自分のそばに彼女が近づいてくるという、現実と夢が混同したような光景を見て終わります。この部屋の散らかり具合的に、おそらく部屋で暴れたのはこの日が初めてじゃないはずです。暴れて苦しみ、気絶したように眠るというループからこの男はずっと抜けられないのです。

 

まとめ

個人的にこのMVは別れた彼女に対する一方的で異常な未練を持った男という設定なんじゃないかと思いました。女性の妖艶な表情や、下着姿なんかも「知っているからこそ忘れられない」といった狂気のように見えますし、他の男に取られて発狂してしまうのも、自分が彼女に愛される喜びを知っているからこそなのかなと。でもこのMVを見た限りでは、見ず知らずの女性をストーキングして自分の妄想を肥大させ、一方的に怒り狂っているともとれそうなので人によって好きに解釈できそうです。

 

ちなみに音楽サイト、ミュージックレーダーが編纂したロック史上最高のベースラインとして、2003年作「Absolution」に収録されているMuseのこの曲が1位に選ばれています。すごい。

 

 

国宝級の詩的センス。スピッツ「冷たい頬」の歌詞の意味を考える

 

冷たい頬

冷たい頬

  • provided courtesy of iTunes

 

音楽が好きで詳しい人にもそうでない人にも幅広く愛されているスピッツ。30年を超えるその長いキャリアの中でも「冷たい頬」は僕のお気に入りの曲です。

タイトルからも別れの曲なんだろうなということは推測できるけど、今回は「冷たい頬」は改めてどういう曲なんだろうと考えていきます。

 

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「君」との関係の現実に気づく主人公

「あなたのことを深く愛せるかしら」

子供みたいな光で僕を染める

風に吹かれた君の 冷たい頬に

触れてみた 小さな午後

 「あなたのことを深く愛せるかしら」という言葉だけだと、彼女とも片思いしてる好きな人ともとれますね。「風に吹かれた冷たい頬」が、風に当たって冷えた頬が恋愛における熱を持っていないことを暗示しているととれるので、個人的にはこの温度差的に片思いで妄想の恋愛に狂ってしまった主人公が「君」との温度差に気づく(冷たい頬に触れる)ということなんじゃないかと思います。

「子供みたいな光で僕を染める」というフレーズから、「君」はそんなことを無邪気に冗談めかして言っているように聞こえます。そしてそんな「君」の頬は恋愛に熱を上げている自分とは違い、冷えています。

 

幸せな妄想に耽溺していた

あきらめかけた 楽しい架空の日々に

一度きりなら 届きそうな気がしてた

誰も知らないとこへ 流れるままに

じゃれていた 猫のように

自分の妄想の中で描いている楽しい日々も、ずっと妄想していると、本当に起こりそうな気がしてしまう(これは割とあるあるだと思う)。このままいけば「君」が手に入るんじゃないかと失恋の予感に気づかないふりをして日々を過ごしている。

 

叶わない「君」との現実を妄想で補填する

ふざけすぎて 恋が幻でも

構わないといつしか思っていた

壊れながら 君を追いかけてく

近づいても 遠くても 知っていた

それが全てで 何もないこと

時のシャワーの中で

妄想で勝手に恋愛を進めるうちに、現実の「君」との関係に重きを置かなくなってしまう主人公。でも、当然それは自己防衛のためにそう思い込んでいるだけであって、本当は現実とのギャップに耐えられなくなっているわけです。

「それが全てで 何もないこと 時のシャワーの中で」はメロディーがすごく綺麗で好きなんですが、いろんな解釈ができそう。それが受けているのが「壊れながら君を追いかけていくこと」だとすると、一方的に君を追いかけて僕だけが狂いながら多くの時間を消費してることだけが真実だとわかってたのになあと、少し嘆いているようでもあります。

 

夢から現実へ

夢の粒も すぐに弾くような

逆上がりの世界を見ていた

壊れながら君を追いかけてく

近づいても 遠くても 知っていた

それが全てで 何もないこと

時のシャワーの中で

ここは無駄のなく文学的なこの曲の詞の中で僕が最も好きな箇所でもあります。「夢の粒もすぐに弾くような逆上がりの世界」とは、めまぐるしく回る君との日常が、「一瞬たりとも夢を見させてくれないようなもの」であり、自分の妄想とはかけ離れたものだったということ。自分の妄想だけが肥大し、その中で自分の「君」に対する願望を満たす主人公にとって、現実こそ自分を混乱させる逆上がりの世界のように見えてしまうのです。

 

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 過去に「さよなら」をする

さよなら僕の かわいいシロツメクサ

手帳の隅に眠り続けるストーリー

風に吹かれた君の 冷たい頬に

触れてみた 小さな午後

シロツメクサというのはクローバーでCとloverに分解できるということからShe lover(彼女は恋人)という解釈ができるようです(僕は妹に恋をするという漫画にそんなセリフが出てきてました)。ここであれ?付き合ってたの?と思うんですが、僕はこれは妄想の中ではもうずっと恋人だった君が、現実では自分を好きではないということに気がついて、「さよなら」をするという意味だと解釈してます。「手帳の隅に眠り続けるストーリー」も、今までの流れに沿うと妄想で手帳にメモしていた君との物語は叶うことなく封印されるということでしょう(現実の思い出だったら、手帳の「隅」には書かないような気がする)。この歌詞のところが現在で、出だしの部分が過去の「君の気持ちに気づいた瞬間」、そして真ん中の部分はそれ以前の自分の「君を追いかける様」を振り返っている曲だとわかります。

 

まとめ

色々な解釈を見たんですが、冷たい頬だから死別とか別れた彼女との回想とか色々ありました。様々な解釈が可能であるからこそ、僕もこの曲の解釈を考えてみようと思ったわけなんですが、言葉選びが秀逸な歌詞だからこんなに深読みしたりできるものなんだなあと改めて思いました。

あくまで僕は偏執的な片思いで暴走し、妄想の恋愛に溺れていた主人公が「君」との温度差に気づいたところから始まる回想録のような曲なのかなあと思いました。曲は可愛らしい雰囲気ですが、歌詞をこうして考えてみると叶わない恋愛の苦しさを凝縮したようなものにも思えます。一筋縄でいかない歌詞もこの曲の大きな魅力です。

 

 

アンダーグラウンドで生きる若者たち 映画「蛇にピアス」感想・考察

蛇にピアスはきっと完璧な映画ではないです。賛否あるのも納得だし、過激な濡れ場、痛そうなシーン満載で好みは確実に分かれる映画だと思う。

でも僕はなぜかわからないけど、この映画をたまに観て、僕の日常とはかけ離れた若者たち(と言っても同い年くらいの設定なのだが)の世界を覗きたくなるんですよね。きっとこの映画が好きな人には同じ感覚がわかってもらえると思う。

 

目次

 

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蛇にピアス」あらすじ

ルイ(吉高由里子)は渋谷の街を彷徨って生きている19歳。赤髪で顔面ピアスだらけ、トカゲのように割れた舌を持つアマ(高良健吾)にクラブで出会う。二人は名前も知らないままそのままセックスし、同棲する。

ルイとルイの友達のマキとアマの三人で飲み会をしたあと、帰り道で暴力団2人に絡まれ、アマは怒り狂い一人を殴り殺してしまう。アマはその時に殴りとった男の歯をルイに「愛の証」と言ってプレゼントする。

その後ルイは刺青を入れるためにシバ(ARATA)の元へ通う。シバはアマの紹介した彫り師でルイはアマと同じスプリットタンもシバにやってもらっていた。ルイがアマの龍とシバの麒麟を組み合わせて彫って欲しいと言うと、シバはその代金を体で払うようにルイに言い、ルイはあっさりとシバとも関係を持つ。シバはサディストだったため、アマとは違いルイに首絞めたりした。

ルイは画竜点睛の話をして「飛んでいかないように、龍と麒麟には瞳を入れないでほしい」と言う。刺青を入れるためにシバのもとに通うたびに、ルイはアマとの関係の傍らで体を重ねていた。

刺青を入れ終わり、シバとの関係がなくなるとルイは酒びたりの生活を送るようになる。「私が生きていることを実感できるのは痛みを感じている時だけ」だと思う。

ある日バイトに行ったきり、アマが家に帰ってこなくなる。ルイはアマの名前もバイト先も知らなかったのでシバの元を訪れ、一緒に捜索願を出す。アマの家でシバと待っていると、アマの死体が横須賀で見つかったと連絡が入る。死体には全身にタバコを押し付けられた痕があり、爪は剥がされ、ペニスにはお香が刺さっていた。

アマの愛情を失って抜け殻のようになったルイは、シバと一緒に暮らす。ルイはアマからもらった「愛の証」である男の歯を砕いて飲み干し、シバに龍と麒麟に瞳を入れてもらい、再び渋谷の街を彷徨う。

 

アマを殺したのはシバ?殺した理由は?

犯人は明確に断言されているわけではないですが、ほぼ間違いなくシバでしょう。アマの死体に刺さっていたお香がシバのものと一致していてルイも薄々シバが犯人だと気づいているようですし。

では犯人がシバだとしてシバを殺した理由ですが、ルイを自分のものにするためだと個人的には思いました。

刺青を入れ終わり、しばらく会っていなかったシバに呼び出されたルイは、シバに「ねえ、人殺したことある?」と聞きます。シバは「ある」と言います。「どんな気持ちだった?」とルイが聞くと「気持ちよかった」とシバは言います。また、その晩にシバはルイに「結婚しない?」と言い、自作のいかつい指輪をプレゼントします。

この日の朝、バイトに行ってからアマは帰ってこないので、この時の発言はすでにアマが殺されてからの可能性が高いです。なのでアマを殺してルイを呼び出し「結婚しない?」と言っているところを見るとルイを自分のものにするためにアマを殺したのではないのでしょうか。

 

画竜点睛の話と、ルイにとっての刺青の意味

画竜点睛の話とは?

中国六朝時代の画家である張僧ヨウが、安楽寺の壁に竜の絵を4匹描いた。だがその竜には瞳が描かれておらず、人々がその訳を尋ねると、「瞳を入れると龍が飛び去ってしまうから入れていない」と答える。人々は誰も信用しなかったが、画家に無理やり瞳を描かせると、本当に竜は壁を突き破って天に昇ってしまったという話 参考(歴代名画記)

 

ルイは孤独寂しさを何よりも恐れる女の子なのだと思います。だから、刺青の龍(アマと同じ龍)と麒麟(シバと同じ麒麟)に瞳を描かないでほしいと言ったのはアマとシバの二人を自分の元に閉じ込めておきたいという意味を込めたのでしょう。ここら辺は原作が芥川賞受賞作品ともありさすがに文学的です。

 

ルイがシバをかばった理由

アマを殺したのがシバだと分かったら、自分の大事な恋人を殺されたのだから発狂するのが普通だと思うのですが、ルイはそんなことはしませんでした。ルイはシバさえも失って誰も自分のそばにいてくれなくなるのが耐えられなかったのです。だから、証拠のお香を見つけても、違うお香を買ってきて証拠を隠蔽しようとします。ルイにとっては真っ直ぐに優しく自分を愛してくれるアマも、激しく痛めつけながらも愛してくれるシバもどちらも必要だったのであり、アマを殺したのがシバでも、ルイは孤独にならないために受け入れるしかなかったのです。

 

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ラストシーンの解釈

ラストでルイは「自分が命を持つため」に龍と麒麟に瞳を入れます。つまり、ルイは自分の中に閉じ込めていた「アマ」と「シバ」への依存から解放されようとしていたのでした。ラストでは渋谷のスクランブル交差点でうずくまるルイの姿で終わります。瞳を入れておそらくシバの元からも離れた「ルイ」がまた渋谷の暗い世界の中を再び一人で彷徨うといった意味だろうと僕は解釈します。

 

まとめ

この映画では主人公の成長や綺麗な問題解決を映画の中に求める人には辛い映画だと思います。ルイはどこまでも利己的で共感を呼べるようなキャラクターではないし、過激な濡れ場、舌に穴を開けたり、刺青したりの痛そうなシーン満載、、そして何より見終わった後にちっとも明るい気持ちにならない。

でも僕はこの映画は好きです。このアンダーグラウンドな若者たちの生き様がどこか文学的に見えてしまったり。不穏な気持ちになりたい時(?)につい観たくなります。

 

蛇にピアス」はアマゾンプライム無料体験で観ることができます。

詳しくは下のリンクから。 

 

 

 

 

【リゾートバイト体験記】一気に稼げて観光もできるは本当?行ってみて分かったメリットとデメリット

僕がリゾートバイトに行ったのは大学一年の夏でした。バイトを辞めて収入源がなくなってしまったのでとりあえず友達に誘われたリゾートバイトをすることにしたのがきっかけです。

ちなみに僕がやったのはホテルのホールの仕事です。飲み物出したり、料理運んだりしました。10日間拘束(1日全休あり+夕方からの日もあり)で10万円以上は稼げました。

 

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まず、メリットをまとめるとこんな感じです。

  • 長期休み、リゾバ以外しなくていいので遊び放題
  • 短期のバイトなので仕事内容が簡単
  • 時給がかなり高い(地方でも1300円とかザラにあります)
  • 知らない土地に行くことで非日常のいい体験ができる
  • 知らない人と仲良くなれる機会がある
  • 終わった後に仕事に対する自信がつく

 

次にデメリットです。

  • 自宅が恋しくなる
  • 全く知らないところに行く不安がある
  • 交通費を立て替えたり、生活費を用意しなければならない
  • 行くまでどんなところかわからない。行ったら引き返せない。

 

正直、あんまり行きたくなかった

正直、僕も行くまでは不安でいっぱいでした。僕は友達と二人で行きましたが、着くまで怖い人がいたらどうしようとか、めちゃくちゃきついことやらされたら。。とか思ってやっぱやめようか悩んでました。けど、ここで行かなかったら自分に負けた気がするので勇気を出して行くことにしましたが、行ってからはなんとかなるものです。若者に優しくしてくれるおじさんやおばさんが多かったし、仕事内容もあくまでお手伝いといった感じで基本的には簡単なことが多かったです。(お客さんに水出し、料理、飲み物運び、掃除などなど)。恵まれた場所だったと思います。

 

意外なメリット

僕が行ったのは栃木県のホテルのホールスタッフでした。僕と友達はそこには泊まれなかったですが、ホテルの温泉が毎日タダで使い放題でした。仕事終わりの温泉は本当に最高だった(ちなみに露天風呂もあった)。

ちなみに僕は栃木県に行ったのですが、全休の日は友達とステンドグラス美術館に行ったり、美味しいハンバーグの店に行ったり、最終日には那須ハイランドパークで遊びました。働いているのでお金の心配もなく心置きなく遊べ他のが良かったです。

 

新たな地で新しい自分を発見【リゾバ.com】

 

諸費用について

生活費は自分で払わなければいけないですが、僕のところは朝と夜、賄いがもらえました。なので自分たちで賄わなければいけないのは昼だけだったのでそんなに痛手ではなかったです。多分飲食系だったら、もらえるところが多いと思いますので、生活費が気になるという人はそういうところを選んでみたら出費が少なくて済むかと思います。

 

友達と行くべきか?一人で行くべきか?

僕の場合は友達と二人だったのでさみしくはなかったですが、本当に仲良くないとかなりしんどいです。掃除をやってくれなかったなど、友達に対して不満もありました(笑)言える人だったので平気でしたが、そうでないなら一人で行く方が無難かもしれないです。一人で行っても地元の人や、同じようにリゾートバイトで来てる人もいるので、一人でいるのはバイト以外の寝るまで時間だけでそこまでさみしくないかと思いますし、好きなだけ周辺を散歩したり、美味しいもの食べたりもできるので融通も効きます。結論としては気心が知れている人と行くか、一人で行くべきです。

 

貴重な出会いもあった

僕はここで外国の方の友達ができました。モンゴルから来た10個上の方で、その人と悩みとか人生相談とかたくさんお話ししました。もう会わないとわかっているからこそ、自分の問題を相談できたし、新しい価値観を身につけるきっかけになりました。すっと同じ人とバイトしていたら出会えなかったと思うと、行って良かったなあという感じです。

 

最大のメリットは自分に自信がつくこと

10日間働くのはきつかったです。1日休みがあるとはいえ、大変でした。仕事もなるべくすぐ覚えなくちゃならなくて精神的にも疲れるし、終わりが見えないという感じが怖かった。。でもその分終わった後の達成感は半端じゃないですし、自分に自信がつきます。「自分は知らない土地で知らない人たちの中で仕事をちゃんとこなせたんだ」と。リゾートバイトの醍醐味はきっと一番はここですね。仕事に対する自信が持てるようになること。自分を変えたいと思っているなら勇気を出して長期休みに行ってみてください。

 

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主なリゾートバイトの種類

  • 裏方仕事(客室清掃・皿洗い・事務など)
  • 娯楽施設系(スキー場・テーマパーク・キャンプ場など)
  • 夜の仕事(ガールズバー・スナックなど)
  • 接客(ホテル、レストラン、受付など)

 

スキー場は休日滑り放題であることが多いですし、思わぬ楽しい経験がタダでできるのもリゾートバイトのいいところです。自分に興味のあることに近いことで探すといいです。

 

リゾートバイトするならオススメ!派遣会社「ヒューマニック」

僕が前利用した会社がここでした。事前に何回も綿密な打ち合わせを行ってくれて、わからなかったこと、不安なことは行く前にほとんどすべて聞けたのでかなり好印象でオススメ。事前に詳細な資料を送ってもらえて安心でした。時給なども大事ですが、とにかく自分に合ったものを選ぶことが大事です。普段のバイトをしている人もリゾートバイトでの成功体験がそこで働くときの自信になります。期間も1週間程度のものから1ヶ月など長いものもあるので見てみて自分ができそうなものを探してみてください。

  

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映画「アメリカン・サイコ」感想・独自解釈。無関心という名のサイコパス

アメリカン・サイコバットマンシリーズでおなじみのクリスチャン・ベール主演の映画で、今回彼は完璧主義の殺人鬼を演じています。

 

目次

 

 

アメリカン・サイコ 」あらすじ(ネタバレ含む)

パトリック・ベイトマンは27歳ながら会社でも重役のいわゆるエリート。彼は完璧主義で自分の肉体に対して異常に気を使い、顔がむくめばアイスパックをし腹筋を1000回もする。しかし彼は血に飢え、殺しの衝動を抑えきれなくなっているサイコパスでもあった。パトリックは自分を別の人と勘違いし、目の前で悪口を言ってきたライバルであり同僚のポールを殺す。しかし犯行後、死体を入れた大きなカバンを車に積んだところを知り合いに見られてしまったので殺したポールをロンドンに旅に出たことに細工する。

その後ポールの失踪を調査している探偵とランチしてパトリックにはアリバイがあると言われる。名前を混同していて誰かが勘違いして、パーティーにパトリックがいたことになっているのだと悟ったパトリックはその調子に合わせる。

殺人衝動を抑えられなくなったパトリックは前に拾った娼婦と再会しポールの部屋でセックスしたのち殺し、その後も殺人を重ねていく。しかしその後耐えきれなくなり自分の殺人を一つ残らず弁護士に告白した伝言メッセージを残すが、後日直接会って話を聞くと、弁護士もパトリックの名前を覚えておらず、パトリックの伝言を冗談だと一蹴するうえに「自分はポールとロンドンで食事した」と言う。

また、自分が多くの殺した死体を保管しているポールの部屋に行くが、なぜか跡形もなくなっている。そこに管理人の女性がいるがパトリックは冷たく追い返される。罰されたいと願った時には、皮肉にも自分の殺人の証拠は何もなくなっていた。

自分は罰を受けることもなく、誰も自分の言葉を理解していないんだというパトリックの告白でこの映画は幕を閉じる。

 

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殺人はパトリックの妄想?現実? 個人的解釈

この映画はパトリックの妄想だという説もあるようですが、僕はそうは思いません。テーマはあくまで無関心であり、誰もが他人に興味を持っていないからあのようなラストに繋がっているのだと思います。同じブランドのスーツを着て、同じ美容院で髪をセットしている同僚たちはどこか似通っていて、誰が誰だかちゃんと把握していないのです。ポールはパトリックのことをマーカスだと言い、弁護士もパトリックのことをデイヴィスと言ったり、とにかく名前を間違えるシーンが多い。弁護士がロンドンでポールと食事をしたと言ったりしたのも、パトリックの殺人が妄想だからなのではなく、ポールのことを別の誰かと混同しているのです。

また、凄惨な状況だったはずの部屋が片付いていたのもパトリックの殺人が妄想だったからではなく、管理人の女性が事故物件として広告に出る前に始末を業者に頼んだからだと思います。そう考えれば事情を知っていそうなパトリックを冷たく追い返したのも頷けるし、自分のことしか考えていないという点でテーマとしても繋がります。

 

見栄の張り合いの象徴シーン 名刺バトル

パトリックの仕事仲間は友達といっても本当にうわべだけの浅い付き合いですが、その仲間同士で見栄を張り合うシーンとして「誰の名刺が一番イケているか」を競うシーンがあります。字体などにこだわっているんですがこれが本当にしょうもない。。外面だけを気にしていることを表す象徴的なシーンです。

 

  

自分の肉体に対する異常な執着

映画の中でもちょくちょく筋トレするシーンが出てきますが、このパトリックの美意識の高さはもはや異常なレベルです(朝に欠かさずローションをつけて毛穴をキレイにし、クレンジングジェルで体を洗うなど)。またそれだけではなくセックス中に鏡に映った自分の肉体美を見て見惚れているシーンもあり、肉体へのこのような執着は内面への執着の希薄さの裏返しとして描かれているような気がします。

 

観念的なパトリックという存在とアメリカン・サイコのタイトルの意味

最初のシーンでパトリックはこう語ります。

「“パトリック・ベイトマン” ある抽象としての人物像 でも現実の僕自身ではない 幻影だけの存在」

つまりパトリック・ベイトマンという人間はある種の比喩であり、「無関心」を具現化した存在でもあります。

そして「アメリカン・サイコ」というタイトルをつけたのはこの無関心な存在をパトリックに限定しないためだと考えられます。

 

ラストシーンのパトリックの告白

そしてラストシーン。仲間の一人が「あいつの中身は...」と言いかけると、心の中で「中身は関係ない」とパトリックは続けます。そして他人に痛みを与えたところで自分と言う存在が認識されなければ殺人という行為でさえ極めて無感動であるということを告白します。何にも罰を受けず、他人から自分の内面の狂気に関心を持ってもらえないことは永久の痛みであると。無関心、それも人の死に対する無関心というものは確かに何よりサイコパス的なものなのかもしれないです。